• その言葉、英語で言うと何? 気になる日本語を英語で表現できるようにする。英単語の覚え方、英文法の勉強法、人気/おすすめ英語教材の紹介も!

英語学習と暗記

英語学習に暗記は必要?

■結局みんな暗記してるという事実

 英語を学ぶ上で、「語彙、語法/文法、文例の暗記」を避けて通ることはできません。巷には「暗記不要」の宣伝文句で売られている英語教材がたくさん出回っていますが、結局は暗記しなければならないようになっています。

 英語の先生の中にも、「英文は頭の中で組み立てるものだ。暗唱は不要」というような主張する人がいますが、英文を理解するにも、組み立てるにも、ちょっとした英文を口に出すにも、その元となる「語彙、語法/文法、文例などの知識」は、過去に記憶した情報です。

 わたしたちが日常的に使っている言葉は、過去に記憶した情報が土台になっています。にもかかわらず、なぜか「暗記」という言葉が嫌われ、悪者扱いされる傾向にあり、多くの人が「暗記=苦痛」のイメージを抱いています。しかし実際のところ、暗記は誰もが日常的に行っている作業なのです。

■そもそも、「暗記」とは?

 暗記とは「書いたものを見ないですらすらと言えるように覚えこむこと」。私たちが、何も見ないで言葉を発することができるのは、過去にその言葉を暗記したことにより、記憶として頭にストックされているからなのです。文章を繰り返し口に出して、何も見ずに上手に言えるようにする、という作業も暗記なのです。

 暗記なしに言語を学ぶことなどできません。日本語の漢字にしても、過去に暗記したことによって、今、読んだり書いたりできるのです。もし「暗記」という言葉に嫌悪感を抱いているなら、「自然に頭に入れる」「刷り込む」「慣れる」「感覚的に覚える」といった言葉を使ってもかまいません。とにかく、語彙、語法/文法、文例などをどんどんストックしていかなければ、英語は上達しません。

■注意すべきこともあります

 「暗記は必須」と言いましたが、注意しなければならないことがあります。それは、英文の内容を全く理解しないで、ただ丸暗記して、実践ではまったく使えない、という状態で放置しておくこと。これは、“質の悪い暗記”です。例えば、「英文を何も見ないで書けるように暗記したけど、発音ができない、文の構造も理解していない」というような、実践で使えない「中途半端な暗記」は問題です。

 今後は、「実践で使えるようにするにはどうすればよいのか」を常に念頭に置き、実になるように暗記するように心がけてください。英語学習における暗記作業は、「内容を理解した上で覚える」「自分の実になるように覚える」「実践を意識して、発展・応用できるように覚える」という姿勢で臨むことが鉄則です。

 さらに、「ルールには例外がある」「語法・文法事項の中には、専門家の間でも意見がわかれるものがある」「言語には地域性・流動性がある」といったことも知っておく必要があります。例えば、学校では「leaf ⇒ leavesのように、fで終わる名詞の複数形は -ves」と習いますが、「belief ⇒ beliefs、roof ⇒ roofs」のような例外もあります。(※この例の場合、どちらがルールでどちらが例外か、曖昧ですね……)

 英語は、暗記(記憶)効率が高ければ高いほど、早く上達します。暗記作業を日々継続するのはなかなか大変ですが、気長に英語に取り組んでいくしかありません。もちろん、暗記した情報を臨機応変に使いこなせるようにするために、会話の展開や様々なシチュエーションを想定した「英文構築」の訓練を積み重ねることも必要不可欠です。

■まとめ

 自分の考え・伝えたいことを「何も見ないで英語で表現する」ためには、語彙、語法/文法、文例、発音/リズム/イントネーションなどの幅広い知識を、長期記憶として頭にストックしておかなければなりません。そのためには、暗記という作業の積み重ねがどうしても不可欠です。実践でつかえるように心がけつつ、新しい知識をどんどん吸収していきましょう。